好きな日本映画(2)-「二つのハーモニカ」

今回もマイナーな作品だが素晴らしい作品を紹介する。
1976年 神山征二郎監督
人にとっては映画への想いはさまざまである。私にとっては大事な映画とは何回見ても感動させられる作品が一番評価が高い。この「二つのハーモニカ」は今でもマイナーな作品でグーグルで検索してもほとんど情報が出てこないのが、かえって嬉しい。私のとっておきの作品である。上映時間70分ほどの児童向けに作れらた映画だが、その完成度は高く、個人的に傑作だと思っている。昨日も確認の為に久しぶりに見たが、本当に素晴らしい映画であった。結核を病んだ兄と共に主人公の隆は田舎に疎開してくる。彼はハーモニカを吹くのが好きである。ひょんなことから地元の良吉と仲良しになる。この過程がとても自然で嬉しくなってしまう。二人でハーモニカを吹いていると他からも聞こえてくる。そこで軍の飛行場でハーモニカを吹く大原さんという18歳の兵隊と会って親しくなる。この当たりのシチュエーションも実に自然である。3人で二つのハーモニカを使って合奏するシーンはじつに美しい。たまには敵国の「愛しのクレメンタイン」を吹いてみたりする。そして時は過ぎ、大原さんは特攻の日が迫る。少年たちに一番会いたい妹を呼んでほしいとことづてを頼む。最後に兄妹は少しではあるが再会することが出来る。このシーンには何度見てもホロッとさせられる。そして大原さんはゼロ戦に乗って特攻の為に飛び立っていくのであるというのがストーリーである。隆の兄は軍人に暴力を受けたために結核を患って家で寝ている。彼も18歳である。このように若い人が戦争によって若い命を散らしてしまう無念さが少年の目を通して描いている。この映画では戦争に反対するとは一度もコメントには出てこないが、見事な反戦映画になっている。言葉でいくら書いてもこの映画の良さをお伝え出来ないのが残念である。機会がありましたら、是非ご覧になってください。本当に素晴らしい作品です。最後に兵隊の大原さんを演じた福田さんから直接掲示板に書き込みを頂いたことがある。ホームページでこの映画を評価したのをご覧頂いたからだと思うが本当に嬉しかった。今は室積光というペンネームで立派な作家になっているそうである。でも私にとって福田さんはいつまで経っても特攻の大原さんなのである。